お名前
E-mail
件名
コメント
URL
添付      
変更キー (英数字8文字以内)   記憶  記事No
投稿キー (右画像の数字を入力) 投稿キー (clickable)
    表示スキップ:  


[290] 「白堊歌会RURU」2024(令和6年)2月作品 投稿:白堊五行歌会 2024年 2月14日(水) 22時
白堊歌会RURU 2024年2月

叔母逝きて
三月後に知る
叔父の死去
落葉渦まく
師走の夕べ
         吉田美雅子

?生命は
置き換わるのか
情報に!
脳と仮想空間で生く
ナースM
         村谷 尚

あと何回
年を越せるだろう
桜を
仰げるのだろう
きょう古稀
田川宏朗

津波が来る 逃げて!
住人の命を守ろうと
絶叫するアナウンサー
寒空をつんざき
胸に突き刺さる
     伊奈 裕

もり上がり
風にそよぐ
雑草界            
犬も猫も
足を踏み入れず
         はま栗

NHK大河ドラマ
「光る君へ」始まる
小川達雄先生の
白堊歌会での「源氏物語」講座が
よみがえる
         山田武秋
うちの
お雑煮の味が
やっとできた!
弟のはずんだ声が
届く
         青山すみれ

息子夫婦が泊まる
数日前から忙しい
あちこち掃除
食材 コーヒー おかしの用意
帰ると ほっ
         瀧津泉

厳寒の川沿いの道
枯れ林の間に
ちらりと覗く紅白の梅
季節の移ろいは
絶えることはない
         だいてんち

〇次回の締め切りは3月31日です。

[289] 「白堊歌会RURU」2023(令和5年)12月作品 投稿:白堊五行歌会 2023年12月15日(金) 0時
白堊歌会RURU 2023年12月

朝ドラで
服部良一
登場す
蘇州夜曲で
通勤路行く
  村谷 尚

まごついて
冷や汗の
初心者ふたり
介護する側
うける側
  田川宏朗

芝桜の
返り花咲く
庭に居て
八歳と見る
スーパームーン
 吉田美雅子

土砂降りのなか
肩に子犬をのっけて歩く
傘のない人
私も家に帰ろう
小さな友が待っている
瀧津泉

尊い命
平穏な日常
夢に満ちた未来
正義の名のもとに
すべてが壊れていく
       伊奈 裕  

どんぐり四段活用
どんぐらこっこ
どんぐりナ
どんぐる小僧は
どんぐれどん
       はま栗

二人 三人 四人組
ランドセルは
色とりどり
十一月の夏日の
下校
       青山すみれ

後期高齢者は
シュウカツより
トンカツ
元気で長生きしたければ
肉を食えということらしい
       山田武秋

遅めのブランチ
のんびりベランダの掃除
ふと見上げると
昼下がりの空が
もう夕方の気配をまとっている
       ろろちち

小春日の
山肌(やま)の風景
華に見ゆ
背中のぬくみ
いと心地よし
       だいてんち


〇次回の締め切りは1月31日です。

[288] 2023年12月7-12日、第16回白堊藝術祭展示作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年12月14日(木) 12時

2023年12月7-12日、第16回白堊藝術祭(盛岡一高OB在京会芸術祭、於神田文房堂ギャラリ)展示作品です。野口田鶴子さんが宮沢賢治さんの作品とともに朗読されました。

私にとっては早朝の
午前九時半の散歩
日陰に
儚げな霜柱発見
指先でそっと触ってみる
          ろろちち

流れるうろこ雲越しに
見上げた
中秋の名月
虚空を独り行く
月の健気

うつくしいもの
美しいことは
みんなで分かち合ってこそ
より美しく楽しくなる
アートする者の心映え
          山田武秋

生垣の
紅き山茶花
散り終へて
目に沁みとほる
冬の満月
          吉田美雅子

ナイヤガラ
東北の葡萄
香気高けれども
甘味強からず
野菜のようなるを愛す
          
山道を
拾わず素通り
できなくて
五色の柿の葉
柑子の実
          はま栗

幸いを
父求めたか
Giovnniと
絶筆し賢治の
銀河へ旅立つ
          村谷 尚

朝に夕に
空を見上げれば
心安らぐ
空はわたしのふるさと
星くずの子
          青山すみれ

[287] 「白堊歌会RURU」2023(令和5年)10月作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年10月12日(木) 11時

白堊歌会RURU 2023年10月

敷居置き
番台で私
見張ります!
部長笑わす
セキュリティ監査
          村谷 尚

高原に
吹く風軽く
感じつつ
わがこだはりの
ほぐされてくる
          吉田美雅子

夢から覚めても
夢破れても

ふたたびと
歌を書く
          田川宏朗
             
さっき飲んだばかりなのに
「薬を2日分飲んでしまった。どうしよう…」   
祭日の土曜日に
「病院に行ったら休診だったよ。どうして?」
お決まりの娘への迷惑LINE
老親と同居してくれた弟のお嫁さんの大変さを今更ながらに思う
   ろろちち

久し振りに旧友と
会えた喜びかみしめる
あっという間に別れのとき
多くの人と長い握手
心に刻む 最後の同期会
          伊奈 裕

ナイヤガラ
東北の葡萄
香気高けれども
甘味強からず
野菜のようなるを愛す
          はま栗

幼いころ 通った
敷島パン屋も
岡田だんご屋も ない
下駄はいて 手ぬぐい下げた
女子応援団員が闊歩する 上田の町
          瀧津泉

いい試合を
見せてもらった
感謝したいと解説者
猛暑の甲子園の
球児たちのさやか
          青山すみれ

流れるうろこ雲越しに
見上げた
中秋の名月
虚空を独り行く
月の健気に胸打たれる
          山田武秋

はったぎの
飛び交う
黄金の稲穂原
をちかたを偲び
爽籟(そうらい)に佇む
          だいてんち

〇次回の締め切りは11月30日です。

[286] 「白堊歌会RURU」2023(令和5年)8月作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年10月12日(木) 11時

白堊歌会RURU 2023年8月

遠き世の
父母に近づく
盆参り
夕べの道に
立葵咲く
          吉田美雅子

露出過多
通り闊歩の
娘らも
卒業のときを
分かりてのこと
          村谷 尚

誰かとおしゃべりしたい私
誰かと笑い合いたい私
賑やかに食事したい私
大した望みも無い私
独居の私
先日、大きな目眩に襲われました
          ろろちち

コーン
スコーン
球音が
突き抜ける
梅雨明けの空
          田川宏朗

喫茶店から眺める
都会の雑踏
途切れない人の流れ
若者、外国人の観光客
銀座もすっかり様変わり
          伊奈 裕
             
南天を
食っていたのは
お前かよ
ヒヨドリご飯に
してやるぞ
          はま栗

地球が面白いと
額縁を飛び出す
風のアートは
いのちのいとおしさを
次世代に伝える
          青山すみれ

猛暑の中
ご高齢の働き手が
次々にリタイア
りんごも野菜も
市場から消えていく
          山田武秋

灼熱の
空に沸き立つ歓声を
背に身構えるバッターの
鋭い眼差しに
必勝の気合いあり
          だいてんち

〇次回の締め切りは9月30日です。

[276] 「白堊歌会RURU」2023(令和5年)6月作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年 6月13日(火) 21時
白堊歌会RURU 2023年6月

失ったかわりに
得るものも
あるだろう
大切なのは
受け入れること
          田川宏朗

デイケアに
嫌々行きし
父九十二
洗われ香し
輪投げも喜ぶ
          村谷 尚

春花の
はや散り尽くす
庭に居て
ひとり見上ぐる
上弦の月
          吉田美雅子

科学とデータで
管理する
二刀流も
バットに「ヒット」と書き
願懸ける
          青山すみれ

約半世紀ぶりに
臨場した
母校盛岡一高の運動会
白堊の精神は
女子がしっかり継承する
          山田武秋

若い頃働いていた町
想像できないほど変貌
高層ビルが屹立
ノスタルジーに浸り
50年前の自分を探す
      伊奈 裕                  

すずやかに
いつとは知らず
春果つる
びわそら豆の
みのりゆく頃
        はま栗

里山の
青草(せいそう)踏みしめ
往くひとの
髪をなびかす
皐月風
         だいてんち

ポテト食べてひと休み
左肩を後ろから殴られた
振り返るとすでに
高い高い木のてっぺん
遠くの空を眺めてるとんび
         瀧津泉

〇次回の締め切りは7月31日です。

[275] 「白堊歌会RURU」2023(令和5年)4月作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年 4月 9日(日) 23時
白堊歌会RURU 2023年4月

生垣の
紅き山茶花
散り終へて
目に沁みとほる
冬の満月
          吉田美雅子

事実には
目をつぶりて
虚構なる
共同幻想《ものがたり》を
受け入れ人なる
          村谷 尚

時よとまれ
いくら祈っても
容赦なく時は流れる
時を慈しみ尊び
時空を自由に飛びたい
          伊奈 裕

厳冬の
宵にたたずむ枯木立
一雨ごとに色づいて
彼岸すぎれば
花木立
          だいてんち

「勝ったの?」と
かかりつけ医
興奮しているから高いかもと
血圧計に腕を出す
三月二十二日WBC決勝の日
          青山すみれ
                  
勝ち切るためには
物語が必要
「信じる力」でWBCを制覇した
栗山監督の「物語を描く力」
創造者としても超一流だ
          山田武秋

30年前なら
駆けつけたやも知れぬ成田空港
今はとてもと思ひつつ
アラ古稀マダムの
インタビューに答ふるを見る
          はま栗

モノトーンな明け暮れに
色をさす
折り紙のお雛様
きょうは
桃の節句
          田川宏朗

わずか
一分前の点眼すら
「?」と不安になる
我が頭脳の
覚束なさよ
          ろろちち

〇次回の締め切りは5月31日です。

[274] 白堊五行歌会RURU二月作品 投稿:白堊歌会RURU 2023年 2月10日(金) 16時
白堊歌会RURU 2023年2月

畑の辺を
過ぎて墓参に
向ふ道
山茶花の紅
散り日をとどむ
           吉田美雅子

心のままに
いつわりなく
高潔に
歌は
かくありたい
           田川宏朗

私にとっては早朝の
午前9時半の散歩
日陰に
儚げな霜柱発見
指先でそっと触ってみる
          ろろちち

こども広場で
ボールを蹴り合う親子
ケラケラ笑う子は
母に甘え嬉しそう
冬の柔らかい陽射し
           伊奈 裕

聖堂の
銀杏の落ち葉
はき捨てられ
金色ろうたし
賀春来たれり
           村谷 尚

埼玉の朝も
結構寒いぞ
初めての氷に
わん子
「わぁん」って驚く
           はま栗

かじかむ両手を大きく振って
速歩、速歩、速歩 ・・・
ふと見上げると
きらめく蝋梅の花
思わず歩みを緩めて見入る
だいてんち

冬至も大寒も雨
合間に大雪と
氷点下十度超えの真冬日
身体中の血管が  
悲鳴を上げている
          山田武秋

あす 夫が 退院して帰ってくる
向こうは落ち着いているだろうけど
私は そわそわ
夫は 私にとって
36年前 出会ったときのままの人
瀧津泉

神社で
頭かじりを
坐禅会で
御守をいただく
年のはじめ
          青山すみれ

[273] 2022年12月11日白亜芸術祭(盛岡一高OB在京会芸術祭)五行詩朗読(短歌、詩も含む)、野口田鶴子さんの朗読 投稿:村谷@S54年卒 2022年12月17日(土) 8時


2022年12月11日白亜芸術祭(盛岡一高OB在京会芸術祭)五行詩朗読(短歌、詩を含む)、野口田鶴子さんの朗読です。会場は、神田の文房堂ギャラリー。
https://www.youtube.com/watch?v=Rf4u4buEZqQ&t=260s


▼ろろちち

ベランダでスクワット
テンションアップの
その訳は
雲間からこぼれた夕日が
私にスポットライトを当てるから

なまじ覚えのある方言に
そっと声に出し二度三度
イントネーションを確かめつつ
なかなか読み進めない
浅田次郎の「母の待つ里」


▼青山すみれ

うつくしい
おたより
万葉の世界から
届いたような
締め切りのお知らせ

夕焼けに染まる
雲を見上げながら
散歩と体操
毎日大空の
ドラマを楽しむ


▼村谷尚

やすけく豊かなる日の本のほかに心得なきも
「国際情勢が変わりました。日本も変わるでしょう。」
君易く答辞で言ひ切るべしや?
父かつて反戦デモを繰り返せど不毛なりき
有事なれば徴兵されるは君ら。
たまきはる命はりて日の本と世界の平和を守るや


▼伊奈裕

医師や看護師さんの
言い方ひとつで
患者の心が揺れる
優しく励まされると
前向きな気持ちがふくらむ

世界が壊れている
豪雨に見舞われ
熱波が襲う
世界中のあちらこちらで
悲鳴が渦巻く


▼山田武秋

青空の
エキスを凝縮して
点滴し
宙(そら)の子に
なる

ウクライナへ侵攻した
プーチンを讃える
ウラーッの鬨(とき)の声
もう「ウラー 一高!」は
唱和できない!


▼田川宏朗

ひと日の夏空を
目裏(まなうら)にとどめ
木槿 (むくげ)の花たちは
地を枕に
眠りにつく

愁い
寂しさ
雪にあずけて
関東平野は
青天井


▼瀧津泉

浄土ヶ浜に
雨が降る
赤とんぼもふらふらと
屋根の下に逃げていく
遠くにけむる釜石観音


▼はま栗

この世に
生まれた
小蟷螂
食べ物あるか
寝るとこあるか

ふかふかと
落ち葉踏み行く
夕暮れに向かいてなおも
遊び相手を探す
犬の仔


▼辻やのか


もり・とり・いのり

もり
もり
みどり
いのちがめばえ
ときをつなぐ

もり
もり
ことり
いのちのうたは
ひかりをはこぶ

もり
もり
いのり
いのちのゆりかご
あすへのいのり


▼戸澤聰

ふるさとの学び舎出でしともがらの芸術祭十五回続く

[272] 「白堊歌会RURU」2022(令和4年)12月作品 投稿:白堊歌会 2022年12月13日(火) 12時
白堊歌会RURU2022年12月



房ごとの
個々の実色づき
コムラサキ
枝垂れて庭に
秋の深まる
          吉田美雅子

ももづたふ
八十若先生
思い出す
県北訛りの
故郷の人見ゆ
          村谷 尚

怒れる
わかものが
眺める
年寄りに
戦後も齢七十七
          田川宏朗

おじいさん おばあさん元気でねと
園児たちのあいさつ
 エッ だれのこと
思わず会場を
見渡す
          青山すみれ

夜陰に眠る
杜の都
盛岡の朝は
北山の天辺から
明けていく
          山田武秋

見えないものが
見えるよう
病室の天井を眺め
未来を想像していた
心を研ぎ澄まし
          伊奈 裕

桃色のハーネス外し
サンタ服脱がせ
ひいらぎ飾りの首輪を取れば
犬の仔は
無防備なまろき躰となりにけり
          はま栗

爛漫の 人間将棋
甲冑姿の 藤井聡太
礼儀正しく バカ強い
舞鶴山も 春 染まる
町全体が 祝祭日
          瀧津泉

10月31日夕暮れ
一番星と三日月と
暮色に浮かぶ富士山を
独り占めする
ベランダの私     
          ろろちち

初冬の夜の天空に
暗赤色に浮かぶルナ
その左隅に、惑星ウラヌスがピカリと光って隠れた
442年ぶりの天空の神々のロマン
次は332年後に訪れるらしい
          だいてんち

[271] 「白堊歌会RURU」2022(令和4年)10月作品 投稿:白堊歌会RURU 2022年10月10日(月) 15時
白堊歌会RURU2022年10月


低空の
スーパームーン
赤み帯び
間近に見える
明日は盆入り
          吉田美雅子

プログラム直してメモリ増やさずやっと稼働させたが
「メモリ不足のエラーなら即増設が合理的でしょ。
昭和の発想のままですね、先輩!」
なるほど別なことに時間と頭を使うべきか
古いスキルも人も消えゆく、おらに変われる余地あるべか
          村谷 尚

ドックに
繋留されて
のぞき込む
わが身の
深海
          田川宏朗

百日紅
お宅の方のが
紅いねと
口惜しそうなる
隣家の紳士
          はま栗

海外ニュースが流す
ウクライナへ侵攻した
プーチンを讃えるウラーッの鬨の声
もう「ウラー 一高!」は
唱和できない!
          山田武秋

今日は秋晴れ
久々に外干し
北上川は
穏やかに
流れる
          青山すみれ

テレビを見ていて
故郷の名前を聞くと
パッと反応
心に刻まれた故郷は
私の中で生きている
          伊奈 裕

オーハヨーゴザイマウス ニューヨーク
キュンデス! ショウヘイ オオタニ
サンシン! ドコカニイッテ ハヲミガク
イワテノ タカラ
イツモ ゲンキヲ アリガトー
          だいてんち

浄土ヶ浜に
雨が降る
赤とんぼもふらふらと
屋根の下に逃げていく
遠くにけむる釜石観音
          瀧津泉

[270] 白堊五行歌会RURU八月作品 投稿:白堊歌会RURU 2022年 8月10日(水) 12時

総武線にて
スカイツリーに
沈む日の
重なる瞬間
息呑みて見る
          吉田美雅子

恵まれた
二世三世
政治家と
レールを外れた
無敵の人か
          村谷 尚

実験動物のサルが
最初の感染例
だからサル痘 って
サルに
失礼だろ?
          田川宏朗

いかが?と聞きながら
顔色や声の様子をみる
十五分の
面会
あっという間だ
          青山すみれ

コロナ禍の中
二年で二回目の入院
もっとも安全な避難所で
大波を
やりすごす
          山田武秋

団地の窓から
孫の到着を今か今かと
待っていた祖父母
花火や好きなお菓子を
いっぱい買って
          伊奈 裕

各局の天気予報を探す
どこかで
明日の所沢は雨だ と
言ってくれないか
夏空は広がらなくてヨロシイ
          はま栗

熱射のなかで 苦しげに
からだじゅうを 掻いている
渋谷の駅頭に
どこから来たのか この犬は
日陰に入る 知恵もなく
瀧津泉

誕生日プレゼントは
「電動自転車希望」
と、大声でほざく孫
まだ高校生
もう新成人     
ろろちち

真夏の宵の散歩道
さざめく蝉時雨
見上げる空に沸き立つ雲が
ひんやり息を吹きかける
汗ばむ顔に心地よい
         だいてんち

○次回締切は、9月30日です。

[269] 白堊五行歌会RURU六月作品 投稿:白堊歌会RURU 2022年 8月10日(水) 8時

三月の
浜辺に群れて
百合鷗
すでに夏羽
頭のくろし
           吉田美雅子

英語のIT用語 instance
日本では インスタンス
中国では 征実
おらは インスタンス = new クラス名
カナに意味(実体)がない。明治の漢語翻訳人今やなく中国圧勝
           村谷 尚

山影を
逆さに映す田面には
迷い蛍が二つ三つ
ルミネッセンスの
またたきに魅入る
           だいてんち

春バラも
若葉も
通学帽子も
ビタミンカラー
もう少し歩こうか
           田川宏朗


ヤッター
スポーツ音痴の
70過ぎの婆ぁばにまで
思わず歓声をあげさせる
大谷選手、ホームランの威力
           ろろちち

医師や看護師さんの
言い方ひとつで
患者の気持ちが揺れる
優しく励まされることが
いちばんの治療薬
           伊奈 裕

バスを降りると 実家が見える
両親 姉妹 猫2匹
いろいろといたのだけれど
今は 老けた姉と子犬
縁側でくつろぐ
           瀧津泉

スーパーに
見覚えある犬つながれて
隣家の紳士が
イカ天一つ
レジで贖う
          はま栗

普通郵便物を
木曜日に投函すると
届くのは翌週の火曜日
今は郵便は遅いからと
FAXで返信が来る
          青山すみれ

「あの世」では
命日が誕生日
毎年五月二十九日
母は大好きだった与謝野晶子と一緒に
お誕生会を楽しんでいる
          山田武秋

〇次回の締め切りは7月31日です

[268] 掲示板投稿のバグ修正について 投稿:事務局)藤井 則夫 2022年 7月14日(木) 8時
大変申し訳ございません。
新規投稿時に、全体のコード系をUTF-8にしてしまうバグがあったようです。
掲示板データはShift-JISに統一していますので、修正しました。
この投稿後は大丈夫ですので、よろしくお願いいたします。

[266] 掲示板エクスポートについて 投稿:白堊歌会 星 邦彦 2022年 5月11日(水) 8時
在京白堊会事務局殿
掲示板の移植は問題ありません。
つきましては、在京白堊会専用として使用できますか。

[265] 白堊五行歌会RURU四月作品 投稿:白堊歌会RURU 2022年 4月14日(木) 9時

平和で豊かな日本しか知らないのに、式辞では
「(ウクライナ戦)国際情勢が変わりました。日本も変わるでしょう。」と
卒業生よ(受け身で流し)簡単に言い切ってよいのか
父達は昔、国会に反戦デモをかけたが実らず
もしもの時、先兵は君たちぞ。命張りてこの国を、世界の平和を守るのか
          村谷 尚

どんなにか寒く
怖いだろう…
はるかな
貴方たちを引き寄せる
警報の闇
          田川宏朗

●なまじ覚えのある方言に
●つい、声出しで二度三度
●確かめつつ、また戻り
●中々読み進めない
●浅田次郎の「母の待つ里」
          ろろちち

雪代の
傍らに佇む
座禅草
世の騒乱を
鎮めるがごとし
          だいてんち

桜の下で
さけぶ 老女
みんな 見ないふり 聞かないふり
我が愛犬も トットットッ
花びらをふんで 素通り
          瀧津泉

今年の冬は
膝が痛くないです
「鈍くなったんだよ」
とかかりつけ医
医院で大笑いした八四歳
          青山すみれ

痛くない!熱も出ない!
コロナワクチンの
3回目接種
本当に注射したの?
と、フェイクを疑う
          山田武秋

しょりしょりと
軽やかなる音のして
仔犬のモコは
新しき障子を
齧っていたり
          はま栗

孫たちからの
誕生日メッセージ
「長生きしてね」
嬉しいがちょっと淋しい
いつの間にかこんな歳
          伊奈 裕

〇次回の締め切りは5月31日です

[264] 掲示板をバックアップしました 投稿:事務局 2022年 4月 6日(水)20時
teacup 殿の撤退予告を受け、在京白堊関連の掲示板8個を
事務局で自動変換により、取り込んでみました。
https://mori1-mp.main.jp/clipbbs/clipbbs.cgi?log=9324

既に取り組みを始めたわけでなく、自動変換のものを使う
ことを候補にする掲示板管理者は、事務局に一報ください。
なお、試用した複数の掲示板の利用者から、共通のご質問
が出た場合のご回答の情報は、5月14日の総会の場でも
共有させていただきたいと考えています。

在京白堊会 事務局

[263] 白堊五行歌会RURU二月作品 投稿:白堊歌会RURU 2022年 2月 7日(月)18時


寒風ひゅうひゅう散歩道
川辺に並んだ水仙花
垣根に寄り添う福寿草
見上げる枝の梅ふふみ
春の兆しはそこここに
          だいてんち

リア充の
知己のネットは
別世界!
せめてとイチゴを
買いて子にやる
          村谷尚

愁い
寂しさ
雪にあずけて
関東平野は
青天井
          田川宏朗

老いること
歳を重ねるたびに
ちがった人生の味を
堪能でき
感動の旅は続く
          伊奈

朝、蒼天にスックと浮かぶ富士
夕、夕陽を背に影絵と化す富士
今日もまたシャッターを押してしまう
仕上がりは昨日と寸分違わぬ景色と
分かっているのに…
          ろろちち

「土曜日に行った ビュッフェ」
「その前に行った 寿司屋」
息子がラインで送ってくるphoto
おいしそうだね〜と返すけど
それより君の顔が見たいな
          瀧津泉

できることは減っても
日々やることは増え
一日二十四時間では
とても足りない
病後の日々
             山田武秋

俳優の名前が
なかなか出てこない
ほら、あのCMに出ていた人よとか
去年の大河ドラマに出てたじゃん、と
連想ゲームの毎日
             青山すみれ

ひと茎の
ブロッコリーに狂喜する
仔犬を見れば
人の美食の
罪深きを思う
             はま栗

次回は2022年4月です。




[262] 白堊歌会RURU 2021年11月作品 投稿:白堊歌会RURU 2021年11月 8日(月)15時
星が冴える
夜坐禅
シュッ、シュッと
衣擦れの音
背筋が伸びる
青山すみれ


できなくなったことの数々
たとえば飲み会
走って逃げること
病気になって
君子危うきに近寄らずを知る
山田武秋
※病気になって、変わったことといえば、コーヒー党から紅茶党になったこと。
食べ物から消えたメニューもたくさんあります。そして以前はできても、できなくなった
こともあります。それが走ることと、飲み会にでること。いまやすっかり聖人君子(?)の暮らしです。


辻ひとつ
違(たが)えれば
あらたな景色が
あらたな
出会いが
田川宏朗


先達曰く、強権者の勢力は遍く行きわたり、時代閉塞を生む
それは、若者達を囲繞する空気を滞らせ、理想喪失の悲しむべき状態になる
一世紀後、古きしがらみを超え、眦を決して我が道を歩むと宣言したカップルがいる
日本を飛び出し、様々な批判を超えて超人的なプレーをする若者がいる
然り・・・ 時代に没入しては、時代を批評することができない


落ち葉がさわさわ降り積もる
秋深くなれども
蝉の穴
黒々と
ふさがらず
はま栗


ネタ切れで
墓穴掘るのみ
他社LINE
開店休業!
業界哀し
村谷 尚
※仕事で新着案内のメルマガを担当。が、今や、LINEやtwitterの公式アカウントを
教科書のライバル会社も取得し、SNSでの発信が流行です。しかし、小中教科書会社は、
光村や日文だけまめに発信更新し続けておりますが、他社は、さぼって、数週間、数か月、
発信や更新がないのがざら。仏作って魂入れず?移行期で直に変わるのでしょうか?


4年4ヶ月
東京の病院に通い続け
本日、めでたく卒業
嬉しいやら淋しいやら
馴染んだ町にもお別れ
伊奈 裕


コロナがおさまったら 会おうね
何回も 約束
一度も 果たさず
ぜい肉が
体ばかりか 心にも
瀧津泉


十月二日
父母の忌日は
同じにて
庭に芝桜
返り花咲く
吉田美雅子


2週間ぶりの草加12階
震度5強に負けたらしい我が家
小ぶりの整理箪笥が
誰もいない和室に倒れていた
あぁ、留守で良かった
ろろちち

次回は2022年2月

[261] 「白堊歌会RURU」9月作品 投稿:白堊歌会RURU 2021年 9月 5日(日)16時


「白堊歌会RURU」 2021(令和3年)9月作品
  ※感想をこの掲示板にご投稿頂ければ幸いです。

日盛りの中
ブルーインパルスを
待つ人の
スマホの林を
縫いゆくチョウチョ
       はま栗


よりクリアに
より大らかに
より倹(つま)しく
三度目が
あるのなら
       田川宏朗


期待した会社での
モデルナワクチン接種も
ひと月遅れ、四十代以上のみ
自分で自分を守れと総務より指示
わからん!残念な日本ってこれ?
      村谷 尚


強行実施のオリンピック
暗いトンネルの中の
希望の光か、人類の災難か
心は重い それでも
テレビで熱く応援
      伊奈 裕


父母の墓に
参りたる日の
夜の庭
百日紅の
散るを見てをり
      吉田美雅子


我より年若の
従兄弟の訃報
こんな日は
空よ、山よ、地よ
共に泣いておくれ
      ろろちち


今日も また
暗闇の中で
探している
現から夢へと行ける
秘密の扉を
       瀧津泉


夕焼けに染まる
雲を見上げながらの
散歩と体操
毎日変わる
大空のドラマを楽しむ
       青山すみれ


予定が
キャンセルになり
コロナ禍中の
午後の
まどろみ
        山田武秋


満州開拓民の置き去り
沖縄戦の島民集団自決
入院拒否感染者の自宅死
この国の国民に対する冷酷さは
今も変わらない
       だいてんち


*次回は11月

    表示スキップ:  

記事No 変更キー

- CLIP BOARD -